晩婚化が進み、初産の平均年齢もあがってきています。
平成26年の調査では第1子出産時の平均年齢は30.6歳で、毎年上昇しているようです。
年齢があがると妊娠もしにくくなるといわれていますが、40歳で自然妊娠する確率とリスクはどのようなものがあるのでしょうか。
また40代で2人目は出産できるのか。気になる確率やリスクなどお伝えしていきます。
40歳での自然妊娠の確率は?
卵子は生まれつきその数が決まっており、年齢を重ねるごとにその数は減少していきます。
出生時には200万個ある卵子も、37歳頃から一気に減少し、42歳までには10分の1にまで減ってしまいます。
45~6歳になると数千個までになり、平均年齢51歳で卵胞数が1000個以下になり、月経周期が維持できず閉経します。
自然妊娠できる目安が42歳とされています。
1周期でみると、特に問題の無い40代女性が、排卵日付近にタイミングをとった場合、その確率は40代前半で5%、45歳であれば1%にまで確率が下がってしまいます。
20~30代前半の確率は1年で80%の確率で自然妊娠が出来るといわれていますが、40代の場合46%とされています。
単純にこの数字だけでみると40代の女性でも半数が自然妊娠が出来るということが出ています。
ただし、年齢とともに卵子の質の低下にもつながるの流産や、染色体異常などの確率もあがってしまいます。
40代で自然妊娠することのリスクとは?
卵子の質が低下しているので、それに伴うリスクがあります。また、母体にも負担が大きくかかります。
【胎児側のリスク】
染色体異常・・・なかでも「ダウン症」のリスクは母体の年齢と比例してあがります。25歳の出産ではその確率が1351分の1に対し、40歳では1127分の1とされます。
流産、早産、難産・・・染色体異常の原因によるものと考えられることが多いです。20代では流産の確率が10%に対し、40代は20%と2倍になります。
常位胎盤早期剥離・・・分娩前に胎盤がはがれると赤ちゃんに栄養や酸素が送ることが出来なくなるので、緊急帝王切開などで早急に赤ちゃんを救わなければなりません。妊娠高血圧症候群の人はこのリスクが高まります。ほかにも喫煙や胎児の異常、事故など原因はいくつかあります。
【母体側のリスク】
妊娠高血圧症候群の発症・・・妊娠後期の3ヶ月間に起こることが多いとされています。(最高血圧)140/(最低血圧)90は軽症、160/110が重症となります。
血管がうまく拡張しないために高血圧となってしまう症状で、予防が難しいものです。妊婦全体での発症率は10%ですが、35歳以上だけでみると14~18%と確率が上がります。加齢による血管の老化も原因とひとつと考えられます。
妊娠糖尿病の発症・・・妊娠中に血糖値が上がり、母体にも胎児にも悪影響を及ぼす可能性があります。血糖値を調節するインスリンが、加齢とともにうまく分泌されないためにリスクが高まるとされています。
帝王切開・・・子宮口や膣壁が柔らかくならず、なかなか広がらない、妊娠高血圧症候群の発症などで帝王切開になる場合があります。ほかにも母体の体力がない、赤ちゃんにとって安全なお産をするためなどのケースもあります。
産後の回復・・・産後は子宮が元の大きさに戻り、カラダが産前に戻ろうと回復していきます。高齢出産はどうしても体力の低下もあり、そのスピードは遅くなっています。
40代で2人目は産める?
自然妊娠の確率からみるとかなり厳しく思いますが、可能性はあります。
ただし、リスクを考えると自然妊娠からステップアップして病院に相談し、不妊治療も視野にいれると良いかもしれません。
また2人目出産後の育児での体力、子どもの体調不良がうつったときの回復力なども若いママさんと比べて大変に感じるところが多くなってきます。
年齢を重ねてからの妊娠・出産でのメリットは子どもを育てる環境が整っているということだと思います。
貯蓄があることで余裕があったり、居住環境も落ち着いていることが多いので、安心して赤ちゃんを迎える準備が整っています。
高齢出産で不安に思うところもあるかと思いますが、素敵な環境で可愛い赤ちゃんを迎え入れられるように楽しみな気持ちで妊婦生活を過ごせると良いですね。
周りのサポートも受けながらその誕生を心待ちにしたいものです。